
PhotoScapeは上のリンク先から無料でダウンロードできます。
本記事「フリーソフトPhotoScapeを使う」シリーズは、書かれたことが全部決まったやり方というわけではありません。機能の使い方や手法は、人によって好みがあると思います。ここに書かれたことを参考にして、自分なりのソフトの使い方・画像加工のやり方を見つけて頂くのが目的です。
PhotoScapeには「キリヌキ(切り抜き)」の機能がありません。
「キリヌキ」とは印刷用語ですが、写真から背景を外して物だけを切り抜く(抜き出す)ことを言います。「キリヌキ」とは、人物であったり物であったりしますが、背景を外した画像はすべて「キリヌキ」です。
高額なAdobe Photoshopという画像編集ソフトには当たり前のようにある「キリヌキ」機能ですが、無料のPhotoScapeにはそれがありません。
もう少し具体的に書くと、人または物を背景から切り抜いて、他の背景と合成するために「キリヌキ」という作業をします。
今回はその「キリヌキ」作業を疑似的に行う方法を解説します。
ツールの中にある「コピースタンプ」という機能
同じ画像の中の一部を別の場所に複製することができます。

タブをツールに合わせて「コピースタンプ」を選択します。4種類あるブラシのサイズのどれかを選びます。①でコピー(複製)したい部分の任意の点をクリックし、②で任意の点を複製したい場所をクリック。クリックした状態で動かすとコピーされた画像が描けます。
この「コピースタンプ」と「結合」の機能を組み合わせれば、「キリヌキ+合成」に近いことが可能です。ただし、多少の勘とセンスが必要です。
ある画像の中に別の画像のキリヌキを合成したい時には、その二つの画像を「結合」させて、1枚の画像にしてから「コピースタンプ」を使います。
ただし「コピースタンプ」はサイズ変更ができませんから、先に合成したい画像を好みの大きさにしてから、背景となる画像と「結合」させます。
それでは実際にやってみます。
ネットの画像検索で惑星ダゴバのヨーダの家を探しました。そのサイズ感に近いようにヨーダ人形を3つ「結合」させたものを、ヨーダの家の画像とさらに「結合」させて1枚の画像にします。

画像の「結合」の方法については以下の(3)をご覧ください。
「ツール」の「コピースタンプ」で「ブラシサイズ」を選択します。一番最初の解説画像のように、2か所クリックしてコピーして行きます。

しかしこの場合、絵柄が小さくて良く見えないので、画面を拡大して描いていくことにしましょう。「コピースタンプ」を解除しない限り、画面を自由に拡大縮小して続きを描くことができます。(「コピースタンプ」中に右クリックを押すとコピーが解除されます)
一度マウスのクリックを離して、拡大縮小してからまた途中の場所からクリックして続けられます。記憶されているコピーの位置は変わりません。

また拡大中は右下の「縮小画面」の中で、画面の位置を動かせます。
ここまでの解説と上の画像からお分かり頂けるはずですが、コピーしたい物や人物の縁取りを上手くなぞることができれば「キリヌキ」を合成するのと同じ効果を得られます。
だから、多少の勘とテクニック、そしてセンス(絵心)が必要になります。

さらに全部コピーが終わったら、コピーした画像の縁取りに背景も入ってしまったところを修正し、人物に影を描き込めば完成です。縁取りの修正には、コピーしてきた場所の背景をコピーして塗りつぶします。
人物の足元に、ペイント機能で影を描きました。

もっとリアルを追求することも可能ですが、今回の解説はあくまで「コピースタンプ」を使った疑似的な「キリヌキ」の合成を説明することなので、次に進みます。ペイント機能もここでは説明しません。
絵を描くソフトを使った経験のある人なら、それほど迷わないはずです。

「トリミング」で不要になった右側を削除します。
できた画像を保存します。


最初にヨーダ人形の画像のライティングを調整して、この暗い背景画像にもっと馴染ませることも可能です。また、ヨーダのサイズは分かりやすいように少し大きめにコピーしました。リアルには右に見えるR2D2と同じ背丈なので、この7割程度の大きさかと思います。
ちょっと手間のかかる説明だったので、今回は大分間が開いてしまいました。これでもできる限りシンプルに分かりやすく書いたつもりです。
この❝遊び❞を何かのヒントにして貰えれば幸いです。
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フリーソフトPhotoScapeを使う(8)へつづく予定です。